| 心臓は小さな巨人 |
| 人間の心臓は、その人の握りこぶしぐらいの大きさで、筋肉のかたまりです。重さは二百〜三百グラム、これはだいたいステーキ一枚の重さです。位置は左右の肺の間にあり、ミゾオチの上に鎮座しています。心臓は収縮と弛緩をくりかえしながら、二十四時間、力強くポンプとしての役目を果たしていますが、一回の拍動で送り出される血液量は約八十ミリリットルです。一分間で五リットル(人間の総血液量に等しい)、一日で七千二百リットルもの血液量を体内に送り出しています。このように、たかだか握りこぶし大の筋肉器官がいかに多くの労働をし、昼夜一時たりとも休まず働いてくれてることを考えると、まさに心臓は“小さな巨人”といえます。 |
| ●巨人のアキレス腱 |
| 心臓の筋肉は、冠状動脈と呼ばれる専用の血管により、酸素と栄養分の供給を受けています。その冠状動脈の一部が動脈硬化か何かの原因で硬くなって細くなると、その部分で血液の流れが悪くなって、それより下流の心臓の筋肉へ十分な量の血液が送れなくなります。このように冠状動脈が十分に働かなくなると、心臓の筋肉も酸欠状態に陥り、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。 |
| ●狭心症と心筋梗塞(冠状動脈疾患)の特徴 |
| 狭心症の場合は、身体を動かしたり、心の緊張が高ぶって心臓の筋肉の血液需要が増大しても、冠状動脈硬化のため血液供給不足となり、前胸部が苦しくなりますが、安静あるいはニトログリセリンという薬を口の中で溶かすと、数分で症状が消えてしまいます。他方、親分すじにあたる心筋梗塞の場合は、冠状動脈の一部に血栓を生じて、その部分の血管が完全に閉塞し、心臓の筋肉が部分的に死んでしまいます。その症状は、突然に激しい胸痛や冷汗を訴え、症状は安静にしてもおさまらず、数時間から、場合によっては数日間続くことも珍しくありません。 |
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