日別アーカイブ: 2025年10月28日

病院外でも活動しています~産業リハビリ編~

2025年10月28日 | カテゴリー:お知らせ

皆さんは産業リハビリと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

意外と知られていない領域であるものの、少子高齢化の影響でどの分野においても「人手不足」というキーワードが付き纏う現状にあります。

荻野病院のリハビリスタッフには岩手県理学療法士会の事業を通して、岩手県産業保健総合支援センターの産業保健相談員としても活動しているスタッフがいます。

産業保健支援では要望のあった企業と面談をした上で、そこで働く従業員が健康で、できるだけ長く仕事に従事できるように、あるいは事故や怪我無く従事するための環境をアセスメントするところが主な活動です。

具体的には転倒予防・腰痛予防・メンタルヘルスの様に企業の求めている事や目指している状態に合わせてアドバイスをするなど様々な関わりがあります。

現状の産業保健支援の多くは転倒予防の相談が多く、従業員の高齢化が要因として考えられています。そのため、企業の特性や従業員一人一人の心身に対する関心を企業・従業員がそれぞれ持つことが支援として必要なことだと考えております。

実際にこれまでの活動をいくつか紹介したいと思います。

北上市にある、車のエンジンを作る会社では、20代から60代までが働く大きな会社であり、日中は高温な工場で立ち仕事。時には重い荷物を持ったり、力を必要とする場面もある業務内容でした。

その企業との面談では、従業員の生活習慣や食習慣の乱れから生活習慣病のハイリスク者が多いとのこと。

暑さの中での仕事。帰って思いっきりビールを飲みたい。ストレスからタバコがやめられない。休みの日はパチンコ、競馬で楽しみたい。

「そりゃそうですよね。誰しもが自分を保つために様々な対策をしながら生活されていますから。」まずは共感!!大事なことです。

次は、やってみたい事とかあるか?聞いてみます。

すると、「家族で旅行に行きたい。マラソンに出てみたい。ダイエットしたい。」などなど。

そこで、血圧、体組成計(in body)の計測に入ります。

すると、高血圧・脂肪過多、悪い結果だけでなく、筋肉量の可視化をすることで、食事やちょっとの有酸素運動(週に2~3回、20分程度)に意識するだけでもっと、生活や仕事のパフォーマンスが上がるということを伝えるのです。

すると、やってみたいことを具体的に考えることができ、できるかも?という思考に代わり、頑張ってみようと行動変容へ移行していきます。

相談員としての仕事はこれで終わりではなく、それぞれのアセスメント内容から、企業に従事する保健師や管理者へ結果と今後の注意点をフィードバックします。

 できれば、就業時間内に従業員の健康管理も含めた時間や環境をとることができる企業が増える社会が当たり前になればよいのですが、まだまだそんな社会になるには時間がかかりそうです。

しかし、自分自身の働き方も含めて、そんな社会を目指して、今後も活動していきたいと思います。